はじめに
前回の記事では介護記録ソフト導入時に現場が混乱する理由について触れました。今回はその続きとして、実際に2事業所でソフト設定を担当した経験をもとに、導入時の設定内容と現場で直面した問題点をまとめます。
特定のソフト名は記載しませんが、多くの介護記録ソフトに共通する考え方として参考にしてください。
① 初期設定|デフォルトのままでは使えない
介護記録ソフトには初期値としてある程度のテンプレートが設定されています。いわばデフォルト設定です。
ただし、各施設が紙媒体で記入していた内容とソフトの初期設定が一致するとは限りません。ほとんどのソフトでは、選択項目や実施内容を手動入力で追加・変更できる仕様になっています。
設定例
「日常」タブ → 「1時間毎巡視」「体位交換実施」→ 選択肢「〇」「×」
この設定により、巡視と体位交換の二重記録を防ぐことができます。「〇」「×」は「実施」「実施できなかった」に変更することも可能です。
設定の考え方として最重要なのはここです。
介護者の記録操作をなるべく省きながら、詳しい記録の「結果」だけを残すこと。
介護ソフトは「業務削減」のために導入するものです。導入によって業務が増えては本末転倒です。細かい記録を行っているような結果だけを残して、その過程はなるべく削減する。このイメージで設定を組み立てることが重要です。
② 排泄記録|少量排便の扱いで現場が混乱しやすい
2事業所でソフトを使用した中で、最も設定に頭を悩ませたのが少量排便のカウント計算です。
各施設では「少量排便を何回確認したら未排便をリセットするか」を看護師が判断します。一般的には2〜3回ですが、「それが母子大の便なのか鶉卵大なのかでカウントしていいのか」という問題が現場では発生します。
紙媒体では人力で判断していたこの作業がソフトで自動化されることにより、かえって混乱が生じるケースがあります。
私が設定した方法
多くのソフトでは少量排便を%で設定できます。100%に達した時点で未排便リセットとなる仕組みです。
| 便の量 | 設定値 |
|---|---|
| 鶉卵大 | 20% |
| 母子大 | 20% |
| 少量 | 50% |
| 中等量 | 100% |
| 大量 | 100% |
この設定により、少量を2回でリセット・鶉卵や母子を組み合わせてカウントするといった運用が可能になります。
ただし問題があります
少量排便は記録から4日ほど経過すると自動でリセットされる仕様になっていました。理由は不明ですが、この自動リセットが現場の判断と合わない場面が出てきます。
その結果、2事業所ともに少量排便はソフトでカウントせず、少量のみ紙媒体で記入して看護師判断とする運用に落ち着きました。完全なデジタル移行とはいきませんでしたが、現場の安全を優先した判断です。
③ 臥床・離床の記録|入力場所の選択で作業量が変わる
臥床・離床の記録はソフト上では「日常」タブにしか入力できない設計になっているケースが多いです。
しかしここに全件入力していては作業量が増えます。そこで私の事業所ではケース記録への入力に切り替えました。
また、24時間シートを採用していないため各内容を個別に記入する必要がありますが、「紙より作業が増えてはいけない」という原則のもと、普段と異なる時間に臥床した場合のみ入力するという運用ルールを設けました。
全件記録より情報が絞られますが、現場の負担軽減と記録の継続性を両立させるための現実的な判断です。
(続く)
※本記事は作成中です。今後、申し送り設定・バイタル記録・導入後の現場定着までの流れを追記予定です。
介護AIラボ 管理人


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