介護施設用シフト作成ソフトをClaude AIでコーティング

開発記録

きっかけは「毎月の地獄」

介護現場で働く方なら共感してもらえると思いますが、シフト作成は本当に大変です。

31人以上のスタッフ、早番・遅番・夜勤・公休・有休……ルールが複雑に絡み合う中で、毎月何時間もかけて手作業でシフトを組む。そのたびにミスが出て、修正して、また確認して。自動化したくて、ソフトなどを導入したく必死に「介護,シフト,自動化」と検索しても、値段を教えてくれないページばかり…。「資料請求」「LINEに登録」など。

もちろん導入している施設もありました。他には実費で月額サブスクリプションで使用している方も実際に知っています。

介護ロボットは「移乗補助」や「ベッドセンサー」など実用的なものが最優先され「役職」や「書記」の業務削減など後回しな場合がほとんどでした。(費用削減と強調すれば導入してもらえるかもしれませんが)

でも。でもどうしても納得がいかない。

今この時代でわざわざ高い費用をかけて書類業務削減に費用をかけてもいいものか。

「これって、個人でAI自動化できないか」と思ったのが、すべての始まりでした。


まずExcelのVBAでシフト自動生成ツールを作った

最初に取り組んだのは、今使っているExcelファイルにVBAマクロを追加してシフトを自動生成する仕組みです。

スタッフの役職・スキル・雇用形態・希望休などを「スタッフ情報シート」に登録し、ルール設定をもとにボタン一つでたたき台のシフトを生成する——そんなツールをAIの助けを借りながら作りました。

チェック機能や夜勤の上限設定、連勤の制限なども盛り込んで、職場で実際に使ってみたところ、シフト作成を担当している介護主任から「助かった」という声をもらいました。

でもここで気づいたことがあります。

「シフトを作る手間は減った。でも職員への配布と確認がまだアナログなまま」

紙で配られるシフト表を見て、自分のシフトをスマホに手入力する。毎月30枚以上印刷される紙。そこに次の課題がありました。


「写真を撮るだけでカレンダーに反映」を目指した

職員がシフト表をスマホのカメラで撮影するだけで、自分の予定がカレンダーに自動登録される——そんなアプリを作りたいと思いました。

Claude CodeとXcodeを使ってSwift(iOS)でアプリ開発に挑戦しました。

しかし、これが想像以上に難しかったのです。

カメラで撮影 → OCR(文字認識)で読み取り → 表の構造を解析して自分の行を特定する、という流れを作ろうとしたのですが、何度修正しても全くうまくいきません。

自分の名前から右のセルを読み取るはずが、全く関係ない場所の文字(曜日だったり他の人の名前だったり)を検出してしまう。シフトの文字(「早」「遅」「夜」など)を事前に登録して試しても、精度はほぼゼロ。


失敗から学んだこと

行き詰まってAIに相談したところ、問題の本質が見えてきました。

OCR後に「表の構造をコードで解析しようとすること」自体に無理があるのです。

紙のシフト表は施設によってレイアウトが違います。印刷のズレ、手書き文字、フォントの違い——こういった現実のバラつきに対して、座標ベースのルール解析は本質的に壊れやすい。

これは知識不足というより、そもそものアーキテクチャ(設計)の問題でした。カメラ読み取りという方法自体に限界があることを、実際に作って試してみて初めて理解できた部分です。


AIの提案で発想が転換した

「どうすれば費用ゼロで、全施設に使ってもらえる仕組みが作れるか」をAIと一緒に考え直しました。

そこで出てきたのが「管理者がPC側でQRコードを発行し、職員はスマホでスキャンする」という発想です。

【PC側】シフト管理ソフトでシフトを作成
    ↓ QRコードを自動生成
【職員】スマホアプリでQRをスキャン
    ↓ 名前を選択
    ↓ 自分のシフトをカレンダーで確認

カメラでシフト表を「読み取る」のをやめて、シフトデータを「QRコードに埋め込んで配る」に変えることで、読み取り精度の問題が一気に解消されます。

しかもサーバー不要・費用ゼロで動く設計が可能です。


現在の開発状況

現在はこの設計をもとに開発を進めています。

PC側(管理者用)

  • ユニット型専用と従来型専用として2つに分けて開発
  • シフトの自動生成機能
  • QRコードの出力機能
  • Windowsで動作するスタンドアロンのソフト

スマホ側(職員用)

  • QRスキャン機能
  • 名前選択画面
  • 個人シフトの表示・全体表示の切り替え

完成したらこのブログから無料で配布する予定です。広告なし、課金なし。同じように困っている介護現場の方に使ってもらえれば、それだけで十分です。


おわりに

最初から完璧なものを作ろうとして失敗して、やり直して、また試して——正直に言うと、この道のりはまだ途中です。

でもこの失敗があったからこそ、より良い設計に気づけました。

「うまくいかないことも、開発の一部」

そう思いながら、引き続き開発を続けていきます。進捗はこのブログで随時報告していきます。

「こんな機能があったら便利」「うちの施設でも使いたい」などのご意見があれば、お問い合わせからぜひ教えてください。


介護AIラボ 管理人

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